2012年09月14日
「ふじせら」の手術 「つきこ」の競り
トマトが案外良く出来た事や ナス、ピーマンが不作だった事など ご報告する間も無く もう秋の気配
久しぶりの投稿です
9月7日はふじせらの出産予定日。 先月末から夜の見回りをしていました。
9月5日の夜9時頃・・・なんとなくぼんやりしている(ように見える)ふじせら・・・
「近いかな」
12時 尻尾を上げるのを確認
「あと2時間ぐらいで産まれるかな たぶん」
牛小屋にイスと蚊取り線香を持ってきて待ちました
1時間経っても 2時間経っても、いきみ続けるふじせら・・・
よほど痛いのか 後ろ足でカツカツと床を蹴っています
午前2時前 庭に駐めた軽トラで寝ている夫を起こす
「なんか 変よ~」 「う~ん どうかなー」 「先生 呼ぼうか?」
途中で覗きに来た息子は「このくらいで獣医さん呼ぶの?」(俺なら呼ばん という意味か)と言って寝てしまいました
こんな時間に獣医さんを呼んだら悪いな。。。
午前3時 絶対「異常」と思い 獣医さんに電話・・・夫も私も 牛小屋から暗い農道の方に何度も目をやり車の明かりがやって来るのを今か今かと待ちました
3時半 先生到着! 共済の女性の獣医さんです。状況を説明するとすぐに診察
「子宮捻転です。 転がしましょう」
驚きすぎてボーっとなりましたが息子を起こして戦力を確保
牛を転がす。。。話には聞いていましたが 本当にあの大きな親牛を ごろんと転がすのです
運動場に投光機 10メーターのロープ 2メーターのロープ・・・胸と腰に廻したロープを引いて寝かせたら 前脚後ろ足を縛り 先生の指導でごろんと1回。
捻転は治らず その後も2回 3回 4回。 苦しそうなふじせら もう立てなくなって 目を見開いて舌を出しています。
「手術します」 先生は手術の道具を取りに帰られました
その間 自分が何をしたか ぼんやりしていたかも・・・
先生が戻られてから 毛を剃ったり 消毒したり (本当に手術が始まるんだなー)
いつの間にか 息子は先生のアシスタントになってテキパキと準備をはじめていました
近くの牧場で研修中なのが 今役に立っています
手術は局部麻酔で 牛を立たせたまま行いました(苦しいのでしょう それでも立っています がんばって ふじせら)
私はお湯汲みと懐中電灯担当
息子は 先生と同じ手術着(?)を着て第一助手 夫は第二助手・・・といったところです
ふじせらの左横腹にメスが入りました。 私はだんだん見ていることが出来なくなり間も無く懐中電灯係りをリタイヤ。 もう祈るだけです
先生は 捻転の状況を説明しながら 順調に手術を進めて行きました。時には息子と雑談したりして頼もしいと思いました。開いたお腹に手を入れて ねじれた子宮を戻すのはかなりの力わざ。。。
子宮の上から中の胎児を触ると歯や背骨や前脚などが判るそうです。息子も先生と同じように手を入れて胎児を(子宮を)回転させました 胎児でも20~30キロなので相当な力が必要です
捻転が治った! その途端 ふじせらが寝てしまいました。竹で作った間に合わせの「わくば」など役に立たなかったようです。すると圧がかかって胃や腸が身体の外に出てしまいました。乾燥しないようにきれいなビニールで内臓を覆いました。
私はますますボーっとなりましたが、先生と二人の助手は「あ~あ」と言いながらも落ち着いていました。
内臓が出たままですが 出産です。息子が取り上げました。なんと生きていました!
誰もがダメだと思ってたので、皆で「生きているー」と口々にいいました。

次は胃と腸を綺麗に洗って元のところに・・・
多量のぬるま湯を台所からバケツで運びました。ガス湯沸かし器って便利・・・しみじみ思います
縫合が終わる頃はもう夜が明けて照明もいらなくなりました

(色々なものが散乱している牛小屋)
次々に起こるアクシデントに全く動じず 常に最善の方法を取ってくださった獣医さんは本当に頼もしかったです。
『こんな若い娘を死なせるわけにはいかないからね』手術中に先生が言った独り言が今も心に残っています

手術直後のふじせら

久しぶりの投稿です
9月7日はふじせらの出産予定日。 先月末から夜の見回りをしていました。
9月5日の夜9時頃・・・なんとなくぼんやりしている(ように見える)ふじせら・・・
「近いかな」
12時 尻尾を上げるのを確認
「あと2時間ぐらいで産まれるかな たぶん」
牛小屋にイスと蚊取り線香を持ってきて待ちました
1時間経っても 2時間経っても、いきみ続けるふじせら・・・
よほど痛いのか 後ろ足でカツカツと床を蹴っています
午前2時前 庭に駐めた軽トラで寝ている夫を起こす
「なんか 変よ~」 「う~ん どうかなー」 「先生 呼ぼうか?」
途中で覗きに来た息子は「このくらいで獣医さん呼ぶの?」(俺なら呼ばん という意味か)と言って寝てしまいました
こんな時間に獣医さんを呼んだら悪いな。。。
午前3時 絶対「異常」と思い 獣医さんに電話・・・夫も私も 牛小屋から暗い農道の方に何度も目をやり車の明かりがやって来るのを今か今かと待ちました
3時半 先生到着! 共済の女性の獣医さんです。状況を説明するとすぐに診察
「子宮捻転です。 転がしましょう」
驚きすぎてボーっとなりましたが息子を起こして戦力を確保
牛を転がす。。。話には聞いていましたが 本当にあの大きな親牛を ごろんと転がすのです
運動場に投光機 10メーターのロープ 2メーターのロープ・・・胸と腰に廻したロープを引いて寝かせたら 前脚後ろ足を縛り 先生の指導でごろんと1回。
捻転は治らず その後も2回 3回 4回。 苦しそうなふじせら もう立てなくなって 目を見開いて舌を出しています。
「手術します」 先生は手術の道具を取りに帰られました
その間 自分が何をしたか ぼんやりしていたかも・・・
先生が戻られてから 毛を剃ったり 消毒したり (本当に手術が始まるんだなー)
いつの間にか 息子は先生のアシスタントになってテキパキと準備をはじめていました
近くの牧場で研修中なのが 今役に立っています
手術は局部麻酔で 牛を立たせたまま行いました(苦しいのでしょう それでも立っています がんばって ふじせら)
私はお湯汲みと懐中電灯担当
息子は 先生と同じ手術着(?)を着て第一助手 夫は第二助手・・・といったところです
ふじせらの左横腹にメスが入りました。 私はだんだん見ていることが出来なくなり間も無く懐中電灯係りをリタイヤ。 もう祈るだけです
先生は 捻転の状況を説明しながら 順調に手術を進めて行きました。時には息子と雑談したりして頼もしいと思いました。開いたお腹に手を入れて ねじれた子宮を戻すのはかなりの力わざ。。。
子宮の上から中の胎児を触ると歯や背骨や前脚などが判るそうです。息子も先生と同じように手を入れて胎児を(子宮を)回転させました 胎児でも20~30キロなので相当な力が必要です
捻転が治った! その途端 ふじせらが寝てしまいました。竹で作った間に合わせの「わくば」など役に立たなかったようです。すると圧がかかって胃や腸が身体の外に出てしまいました。乾燥しないようにきれいなビニールで内臓を覆いました。
私はますますボーっとなりましたが、先生と二人の助手は「あ~あ」と言いながらも落ち着いていました。
内臓が出たままですが 出産です。息子が取り上げました。なんと生きていました!
誰もがダメだと思ってたので、皆で「生きているー」と口々にいいました。
次は胃と腸を綺麗に洗って元のところに・・・
多量のぬるま湯を台所からバケツで運びました。ガス湯沸かし器って便利・・・しみじみ思います
縫合が終わる頃はもう夜が明けて照明もいらなくなりました
(色々なものが散乱している牛小屋)
次々に起こるアクシデントに全く動じず 常に最善の方法を取ってくださった獣医さんは本当に頼もしかったです。
『こんな若い娘を死なせるわけにはいかないからね』手術中に先生が言った独り言が今も心に残っています
手術直後のふじせら
Posted by てんとうむし at 03:20│Comments(4)
│うし
この記事へのコメント
何と凄まじい!!
改めて、命の尊さを知りました。
ご苦労さまでした。
改めて、命の尊さを知りました。
ご苦労さまでした。
Posted by mi at 2012年09月14日 08:46
感動しました。
新しい命。
ますます愛おしいですね。
名前がまた楽しみです。
息子さん、立派でしたね。
新しい命。
ますます愛おしいですね。
名前がまた楽しみです。
息子さん、立派でしたね。
Posted by rue at 2012年09月14日 14:59
miさん こんばんは~
その後 私たち3人とも 筋肉痛になっていました。まさに「全力を出し切った」 と言う感じです。この歳で徹夜はこたえましたが 獣医さんは朝から通常の勤務だそうで、本当に頭の下がる思いでした。
その後 私たち3人とも 筋肉痛になっていました。まさに「全力を出し切った」 と言う感じです。この歳で徹夜はこたえましたが 獣医さんは朝から通常の勤務だそうで、本当に頭の下がる思いでした。
Posted by てんとうむし at 2012年09月14日 23:54
rueさん こんばんは!
発見が遅れたら 母子ともに助からないと聞いて 運が良かったかと ほっとしています。
今日は抜糸をしました。母牛も日に日に食欲が出てきて、「時の経つのが良い薬」とは、こういう事でしょうか。
子牛も元気です!!
発見が遅れたら 母子ともに助からないと聞いて 運が良かったかと ほっとしています。
今日は抜糸をしました。母牛も日に日に食欲が出てきて、「時の経つのが良い薬」とは、こういう事でしょうか。
子牛も元気です!!
Posted by てんとうむし at 2012年09月15日 00:10